開催県挨拶

栃木県農政部長祝辞
(第72回農業農村工学会 関東支部大会)

 本日ここに、多くの関係者の皆様の御参加を得て「第72回農業農村工学会 関東支部大会・講演会」が開催されますことを、心からお祝い申し上げます。
 本大会の開催にあたりましては、新型コロナウイルス感染症対策として、「新しい生活様式」に則りオンライン方式で行うなど、関係者の皆様の御尽力に敬意を表します。
 さて、栃木県の農業は、広大な農地や大消費地に近い立地条件、農業者の高い技術力などの強みを生かし、整備されたほ場や農業用水路等の生産基盤のもと、地域を支える基幹産業のひとつとして着実に発展してきました。 
 一方、近年の農業・農村を取り巻く環境は、農業従事者の高齢化や担い手の減少をはじめ、デジタル化の進展、自然災害の頻発化などにより大きく変化しています。
 このような中、本県では、今後5年間の農政の新たな指針として、栃木県農業振興計画「とちぎ農業未来創生プラン」を本年4月からスタートさせました。
 本プランでは、人口減少をはじめとする情勢の変化を的確に捉え、これまで推進してきた「園芸大国とちぎづくり」の加速化やAI・IoTなどデジタル技術の活用促進等により、農業を力強い産業として更に成長させるとともに、地域農業の維持・発展に向け、広範囲に農地を引き受ける担い手と、農村環境を保全する多様な人材により、地域の力を結集して営農を支える仕組みである「とちぎ広域営農システム」の構築、さらには農村が有する治水機能の向上による地域防災力の強化などに取り組むこととしています。
 これらの施策の実現には、農業生産の土台となる農地や農業水利施設などの基盤づくりが重要であることから、本学会で提示される最先端の知見や事例も取り入れながら、農業農村整備を進めて参ります。
 結びに、本大会が農業農村工学の発展及び関わる研究者・技術者の資質向上につながる実り多いものとなること、併せて御参加いただいた皆様の一層の御健勝と御活躍を祈念申し上げまして、お祝いの挨拶といたします。
栃木県農政部長 青栁 俊明